2006年1月アーカイブ


熱いと甘味が増す : SCIENCE MAGAZINE

砂糖水は、温かい方が甘く感じる。Talaveraらはこの現象の分子メカニズムを提供している。研究者らは、一過性受容体電位(TRP)ファミリーのメンバーであるTRPM5およびTRPM4を、熱により活性化されるカルシウム依存性陽イオンチャネルとして同定した。

甘みは温度が高くなると感じやすくなる理由が明らかになったという報告です。それには、TRPM5, TRPM4という膜たんぱく質が温度上昇により反応性が高くなり、その時に同時に甘みの味覚受容体からの情報も受け取ることができるようです。

TRPM5, TRPM4はカルシウム依存性ではあるけれど、カルシウム非透過性の陽イオンチャネルであり、15~35℃で温度変化させることにより、温度上昇につれ活性が上がったそうです。これは、活性化には温度上昇と細胞内カルシウムが必要であるということです。また、味覚受容体は甘味リガンドにより細胞内カルシウム濃度を上昇させるため、このシグナルも同時にTRPM5, TRPM4は感知し電位依存性を変化させ刺激として脳に伝達させる役割も果たしていることのようです。

さらに、TRPM5の無いマウスでは、温度上昇で鼓策神経刺激という甘味化合物に対する応答性の増加は無く、そのほかの苦味やうま味に対する応答は無かった為に、"温度上昇 <-> 甘み"の関係が明らかになったということのようです。

うつ病とセロトニンの関係 : SCIENCE MAGAZINE

長年に渡り疑われてきた、うつ病とセロトニン信号伝達異常の関係が解明されるかもしれない。セロトニン受容体5-HT1B(セロトニン1B)はこれまでに、強迫性障害、薬物依存症、不安、怒り、睡眠に加えて、うつ病との関連が指摘されている受容体である。今回、新たな発見からp11と呼ばれる脳蛋白質と同受容体の相互関係が明らかになった。

今回見つけ出されたのは、p11というたんぱく質がセロトニン受容体を制御しているということです。どのくらい直接的に作用しているのかはわかりませんが、動物モデルおよびヒトのうつ病患者ではこのp11が脳内で減少していたそうです。また、抗うつ剤の投与ではp11は増加したことより、p11 -> セロトニン受容体 -> うつ病のルートが明らかになってきたようです。

Y染色体、チンパンジーと人で1・78%の違い : YOMIURI ONLINE

哺乳(ほにゅう)類の性別を決める性染色体のうち雄だけにあるY染色体について、理化学研究所などの国際チームがDNA配列によるチンパンジーの遺伝情報を解析し、人とチンパンジーでは、遺伝情報の違いが1・78%になることを突き止めた。

人とチンパンジーの全染色体の比較については、1・23%の差があるそうで性染色体であるY染色体は特に差が大きいそうです。変異の受けやすさが染色体によって違うのですね。相同染色体が無い為なのかウイルスによる構造の変化が大きく影響され、残されやすくなるみたいだそうです。

このY染色体の変異の起こりやすさが進化にどう影響してくるのだろう。進化による変異というよりも、変異により進化へと波及したのでしょうが、性染色体ということもあり興味深いところです。

ビフィズス菌、インフルエンザ予防に効く? : YOMIURI ONLINE

ビフィズス菌を多めに取る高齢者は、免疫機能が高まり、インフルエンザウイルスに感染しにくいという研究結果を、森永乳業栄養科学研究所(神奈川県座間市)がまとめた。今年3月に開かれる日本農芸化学会大会で発表する。

ヨーグルトは整腸作用以外にも効果があるという報告です。ビフィズス菌の一種"BB536"を数ヶ月摂り続けた群と、一ヶ月ほどで止めた群でインフルエンザの発症率が変わったそうです。免疫機能が衰えやすいお年寄りの方を被験者にしているのですが、例えば途中で止めたということで気概がなくなったなんていうこともないのだろうか、と多少感じてしまいます。偽薬を用意しておくべきだったような感じもします。どのようなルートでビフィズス菌が免疫細胞に影響を与えいるのか、今後の研究が楽しみです。

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