2006年3月アーカイブ


asahi.com: 可視光あてると水から水素 新種の光触媒、東大教授ら発見 - サイエンス

目に見える光(可視光)をあてると、水を分解して水素を発生する新種の光触媒を、堂免一成(かずなり)東京大教授らが見つけた。水素は、燃やしても水しか出ない究極のクリーンエネルギー。生成効率はまだ実用にはほど遠いが、太陽光と水から水素を大量に作るという化学者の長年の夢に道を開く成果といえそうだ。16日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

"光触媒 - Wikipedia"は光のエネルギーにより、他の化学反応を促進させることの出来るが自分は変化しない仲介役となる物質です。最近ではその光触媒によってもたらされる酸化反応による抗菌作用、汚れの分解、有害物質の除去、超親水性による水滴化の阻害など多方面に活躍する酸化チタンが有名です(東海大学付属第三高等学校 科学部)。酸化チタンは紫外光に近い波長(380nm)で触媒しているのですが、利用できる光の量はとても少ないそうです。光触媒を起こす物質を探した結果、青色ダイオードで有名になった窒化ガリウム(窒化ガリウム - Wikipedia)、酸化亜鉛、助触媒の混合物により可視光でも水を燃料源として利用できる水素と酸素に、より効率よく分解することができるようになったようです。

asahi.com: ホタルの光、なぜ黄緑色? 京大助教授らが解明 - サイエンス

「ホタルの光」が黄緑色に光る秘密は、発光に関係する酵素ルシフェラーゼの立体構造にあることが、わかった。理化学研究所播磨研究所の加藤博章チームリーダーや京都大の中津亨・助教授らの研究チームが解明し、16日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

蛍が黄緑色にきれいに光るのはルシフェラーゼというタンパク質がルシフェリンを基質としたATP加水分解の酵素反応によって、可視光の中でも黄緑色の領域にある光の波長を化学エネルギーから得ることができます(生命現象を担う物質の「はたらき」とは?)。黄緑色の光を得るためには、このタンパク質の立体構造が関係していて、酵素活性時に発光体(基質)を密に取り囲んでいるようです。タンパク質のアミノ酸一つだけ変異を与えて取り囲みを緩くすると、分子振動による発熱のロスが起こりエネルギーの低い赤い光しか得られない発光体になるようです。発光体の囲み具合で酵素反応が変わり、光る色も変わってくるのですね。

<参考>
大学への基礎数学-雑記帳: ホタルの黄緑色の光の謎を解明!-効率的なエネルギー伝達につながるか

asahi.com: 彗星のちりに高温生成鉱物含まれる NASA発表 - サイエンス

米航空宇宙局(NASA)は13日、無人探査機「スターダスト」が世界で初めて持ち帰った彗星(すいせい)のちりには「かんらん石」など高温下で生成される鉱物が含まれていた、と発表した。

ビルト2彗星(81P/Wild 2 ;ドイツ語読み)の塵を分析することにより、原始宇宙の物質を知ることができるというプロジェクトの成果が出たそうです。そもそもなぜこの彗星が原始宇宙の物質を持っているのかというと、この彗星はもともと太陽に接近する星だったわけではなく、1974年に木星に接近した事により周回が変化し太陽に接近することになったようです(Contest for Name of Star Dust Project / NAO)。そのため、太陽風による彗星からの塵の発生という破壊を受けておらず、今回初めて太陽に接近することにより発生しているその塵には原始宇宙の物質を保持しているため、とされます。無人探査機"スターダスト"による採取調査の結果、高温下で生成されるかんらん石など、鉄、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、チタンなどを含む高温下で生成される鉱物が見つかったということです。

大豆イソフラボン配合食品、妊婦・子ども「推奨せず」 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

大豆に含まれる栄養成分「大豆イソフラボン」を配合した特定保健用食品について、内閣府食品安全委員会の専門調査会は9日、妊婦や子どもの摂取は「推奨できない」とする安全性評価をまとめた。

 男性や妊婦以外の女性は、ふだんの食事以外に追加して摂取する上限量の目安を「1日30ミリ・グラム」とした。ただし、大豆食品自体は「たんぱく質源として健康的」とし、安全性に問題はないとしている。

大豆の胚芽に含まれるイソフラボンの中でも、アグリコン型イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た分子構造をしており、疑似ホルモンとしての働きがあるとされています。そのため、骨粗鬆症、乳ガン、更年期障害などの予防に役立つ可能性があるという良い面を持つ反面、摂取しすぎる(毎日150ミリ・グラム)と子宮内膜症がやや増えるという悪い面があるということで、今回の判断になったそうです。ビタミンと同じように摂りすぎなければ、良い働きをすると思います。

<参考>
イソフラボンとは
『おとなのニキビ』をなおしてしまおう!

現行診断基準では「変異型ヤコブ病を見逃す恐れある」 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

BSE(牛海綿状脳症)感染牛を食べて発症する変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)について、厚生労働省CJDサーベイランス委員会の山田正仁委員長(金沢大教授)が「世界保健機関(WHO)の診断基準を見直すべきだ」と、11日付の英医学誌ランセットに報告した。

牛の海綿状脳症(BSE)との関係があるとされる感染性プリオン病である変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)では、同じプリオン病であるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)で起こる異常脳波、高振幅鋭徐波(PSD )はみられないとされていたのですが、高振幅鋭徐波(PSD )を観察された患者さんが変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)であったため、牛の海綿状脳症(BSE)による感染の判断ができないとしているようです。確かに脳がやられるということは脳波にも異常がみられるということですが、そのパターンは微妙なようなのでしょうか。

<参考>
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に関するQ&A(アップデート)
IDWR: 感染症の話 クロイツフェルト・ヤコブ病

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asahi.com: 氷の星、内部は軟らか 九大助教授ら実験 - サイエンス

 氷でできた天体の内部は、従来考えられていたよりも軟らかく流動しやすい――九州大の久保友明・助教授(地球惑星内部科学)と米ローレンスリバモア研究所などのグループが、高圧条件下の実験でこんな氷の性質を明らかにした。3日付の米科学誌サイエンスに発表する。木星の衛星などの進化や内部の状態の解明に役立ちそうだ。

氷は硬いものだれけれど、星の内部のような高圧で極低温な状況の中(2000気圧、零下70度)では、氷の結晶の大きさにより流動性に特異性がみられ、10mm以下で弱い力でも流動性が起こるそうです。この流動性はわずかな温度差でも対流という現象を起こす可能性があるそうで、特に冷たい衛星の進化の過程を知る手がかりになりそうです。

asahi.com: 植物のCO2センサーを特定 温暖化の影響探るヒントに - サイエンス

 植物が二酸化炭素(CO2)を感知する時に主要な役割を果たしている遺伝子を九州大と米カリフォルニア大サンディエゴ校のグループが特定し、5日付の英科学誌ネイチャー・セルバイオロジー(電子版)で発表する。地球温暖化の要因として注目されるCO2濃度の上昇が、植物に与える影響を探る手がかりになると期待できる。

植物は葉の裏側にある気孔を開閉して呼吸をするときに、光や湿度、二酸化炭素濃度により開閉の調節をしてます。特に周囲の二酸化炭素濃度変化によって開く量を調節している仕組みについて、HT1という遺伝子が関わっていることがわかったそうです。この遺伝子がないと二酸化炭素濃度変化の時のみ反応がなくなるので、この仕組みの鍵的分子になりそうです。

asahi.com: 内臓脂肪が神経通して食欲調節 東北大などが実験で解明 - サイエンス

中年太りで気になる内臓脂肪には、神経を通して食欲を抑える働きがあることが動物実験で分かった。この神経刺激を活性化させることで、肥満や糖尿病の新しい治療に結びつく可能性があるという。東北大の片桐秀樹教授、岡芳知教授(いずれも代謝学)らのグループが、7日付の米専門誌セル・メタボリズム電子版に発表する。

脂肪細胞は食欲低下作用のあるレプチンというホルモンを血液中に出しているだけでなく、その食欲低下の刺激が脂肪細胞の近くにある神経から脳に伝わるため、としています。食欲をコントロールする要素は、ホルモンと神経伝達の少なくとも二系統があるようです。

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