2006年11月アーカイブ


asahi.com: 水星、太陽面を横断、全国で観察 - サイエンス

 水星が太陽の前を横切って見える「太陽面通過」が9日朝、全国で観察された。太陽と水星、地球が一直線上に並んだときに起こる珍しい天文現象で、水星は約5時間かけて太陽の前をゆっくり通過していった。

日本では日の出前に太陽面通過が始まり、日の出と共に観察できたようです。この水星の日面通過は前回は三年半前だったのですが、次日本で昼間に見られるのは26年先になるようです。また、12年後には、金星の日面通過が起きるようです。

水星の太陽面通過 全国で観測 「ひので」も動画と画像を発表 : AstroArts - アストロアーツ
太陽横切る水星、3年半ぶり観測...次は26年後 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

エイズ遺伝子治療、HIV減少に成功...米研究チーム : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

エイズウイルス(HIV)の増殖を邪魔するウイルスを作り出して患者に注入し、体内のHIVを減らすことに成功したと、米ペンシルベニア大などの研究チームが6日発表した。初の遺伝子治療の成績で、近く米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。

エイズに対する遺伝子治療について、"ベンチャー企業「バークシス社」(メリーランド州)が開発した「VRX496」"というものが良く働き、臨床治験に入っているようです。

この"VRX496"というのは、HIVから発病の危険性のある遺伝子を除き、HIVのたんぱく質合成を阻害する"アンチセンス"を発現する遺伝子を組み込んだウイルスで、HIVの標的となるCD4を発現している免疫細胞に感染、増幅させてから、体内に戻すことにより、感染していないCD4が増えたり、HIVウイルスが減ったようです。

以外にもエイズウイルスに対する初めての遺伝子治療の報告になるようです。

「考えるだけ」でスイッチ切り替え、日立が実験成功 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 日立製作所は6日、暗算や暗唱などによって生じる脳内の血液量の変化を電圧信号に変えることで、鉄道模型の電源スイッチの「オン」「オフ」を切り替える実験に成功した、と発表した。将来的には、「こうしたい」と考えた際の血流変化を電気信号に置き換える技術の開発を目指しており、運動機能を失った難病患者が自立するための福祉機器開発につながるものとして期待される。

"光トポグラフィ"という近赤外線により血流変化を測定できる装置により、この血流変化を電気信号に変換させ脳の動きを可視化できるか、ということを鉄道模型を用いて行ったようです。

脳内の血流変化については、暗算や暗誦など記憶に関わる"額の裏側付近に位置する脳の「前頭前野」と呼ばれる部分"のついて行われ、暗算や暗誦を行っている時には電車が走り、やめると止まるようです。

MRIのような装置だけでなく、脳内を測定する方法も増えてきているのですね。このような技術は脳のリハビリなどでも応用できるのではとしています。

男の赤ちゃん、首都圏中心に比率低下...原因は「?」 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 新生児に占める男児の比率が1970年代以降低下傾向が続き、特に、首都圏で減少の目立つことが、順天堂大学医学部の丸井英二教授らの分析で明らかになった。環境悪化による可能性もあり、詳しい原因の究明が急がれる。

近年世界レベルで出生男児の比率の減少傾向があるようで、今回の調査では特に首都圏でかなり減少していることが明らかになったようです。"全国で1971年に男児が女児の1・071倍だったが、2004年は1・052倍に低下、東京は70年が1・076倍で、記録上、最も男児が多かったが、2004年には1・048倍に低下"したそうです。

環境悪化や環境ホルモン、ダイオキシンなど候補となるものはいくつかありますが、具体的な原因は不明のようです。また、男の胎児の死産も増加しているということで、なにか目に見えないものが生物に影響を与えている可能性が大いにあります。

温室効果、窒素肥料も原因...南極の雪氷内大気を解析 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 一酸化二窒素(N2O、亜酸化窒素)という温室効果ガスの大気中濃度が1950年代から急増しており、その主な発生源は窒素肥料が散布された農耕地であることが、南極などの雪氷内に閉じこめられた過去の大気の解析で明らかになった。洋研究開発機構・地球環境フロンティア研究センターなどによる分析結果で、人口増に伴う農耕地の拡大のほか、化学合成された窒素肥料の普及と過剰散布も背景にあると考えられるという。

化成肥料によって様々な植物栽培の効率化がもたらされて来ていたのですが、この窒素肥料が地球温暖化に大きな影響を与えているそうです。

窒素肥料を多く土壌に与えると土壌中の微生物たちは分解し、一酸化窒素など窒素酸化物を放出します。これは特に微生物や肥料が非常に過剰な状態で、嫌気性の反応が起こる"脱窒"が起こる際に一酸化窒素を発生させるようです。

一酸化窒素の温室効果は二酸化炭素CO2の300倍もあり、分解にも120年というとても長い時間がかかるという、実はかなり悪質な物質であります。今回は自然界にある窒素の同位体の含有量により、化成肥料のような人工的に作られたものの影響を知ることができたようです。

植物を扱う人にとっては欠かせない化成肥料ですが、使い方にも気をつけたいところです。

亜酸化窒素 - Wikipedia
脱窒について考える

割れにくい給食食器の形状開発...長崎県窯業センター : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 長崎県波佐見町の県窯業技術センターが、同町で生産されている学校給食用の磁器食器の研究で、割れやすいと言われる磁器食器の衝撃への強度を増す方策を見つけた。

環境ホルモンの溶出が懸念されるプラスチック製の食器を学校給食では、磁器製にしているところが多いのですが割れてしまうことが多く、改善が期待されていました。その中で形を変えることで、強度を増やすことに成功したそうです。

"器の縁から約5mm内側に、幅約5mm、深さ約0・5mmのくぼみを設けることで、強度は最大約30%も上昇"し、"重量が約4グラム軽くなった"ようです。物理的になぜ衝撃による強度が増したのかは解っていませんが、小さな窪みによって衝撃を吸収しているのは確かなようです。

Yahoo!ニュース - 琉球新報 - モズクにがん抑制効果 フコイダンが転移を阻止

モズクの主成分フコイダンにがん細胞の転移を阻止する効果があることが分かった。29日に横浜で開催された第65回「日本癌(がん)学会学術総会」で、シーズ(浦添市、前田すえこ社長)と共同研究を進めていた岡山理科大臨床生命科学科の浜田博喜教授らが学術論文で発表した。

もずくのねばねば成分の主な要素であるフコイダンは、がん細胞自身が栄養を取るための、或いは転移する足がかりとなる、血管を自分のところに引き寄せる血管新生を阻害するため、抗がん剤としてなりうるのでは、という報告です。

フコダインは化学的には、糖の一種であるL-フコースが硫酸化、重合化した多糖類の一種で、もずくのフコダインにはフコースにメチル基が存在するようで、これが血管新生阻害作用を起こしているのではないか、としています。

新着情報:フコイダンについて
低分子フコイダンについて

関節リウマチ:不要細胞の「掃除」不十分 原因解明に期待--阪大研究-科学:MSN毎日インタラクティブ

不要になった細胞が取り除かれる過程でDNAがうまく分解されないと、関節リウマチになることが、大阪大大学院生命機能研究科の長田重一教授らのマウスを使った実験で分かった。DNAを分解する酵素を人為的に働かなくしたところ、関節リウマチによく似た関節炎を起こしたという。関節リウマチは原因不明の病気で、原因解明や治療薬の開発につながると期待される。

炎症が起こった時白血球が増やされ、その白血球は異物を食べることで次に生成する新しい組織の土台となるのですが、その異物の中に自分の細胞の死骸も含まれそこにはDNAも存在します。異物を食べた後白血球(マクロファージ)は異物を消化させるために、様々な分解酵素を細胞内で作り作用させるのですが、このDNAを分解する酵素がうまく働かなくなることにより、関節リウマチによく似た関節炎を起こすことが明らかになったようです。マクロファージはDNAが細胞内に残っていることで、炎症の原因となるたんぱく質を放出しているために、関節リウマチを引き起こすのだろうと考えられるということです。

産めよ、増やせよコアラ...豪で精子の低温保存技術開発 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

オーストラリアのクインズランド大などのグループは30日、コアラの精子を約40日間、低温保存する技術の開発に成功したと発表した。

コアラの人工授精は精子の長期保存が出来ずに難しいとされていたのですが、40日ほど保存することが可能になり、より容易に行うことができるようになったようです。オーストラリアのコアラは絶滅危惧種の他にも、近親交配の問題もあるようで、この方法でコアラを増やすことにより解決できるということだそうです。

「おれはゾウ」と分かってるゾウ、米の実験で能力判明 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

鏡を見て「自分だ」と認識する能力をゾウも備えていることが、米エモリー大学(ジョージア州)などの研究で分かった。ヒトと類人猿以外ではイルカだけに知られていた能力。研究者らは「複雑な社会生活を営むことと関係があるのだろう」と指摘、米科学アカデミー紀要(電子版)に30日発表した。

鏡を見て鏡に映るのは自分自身であると認識する能力は、どんな動物にでもあるわけではなく、鏡に対して威嚇したりおびえたりすることが多いのですが、ゾウはそんな能力を持っているようです。目の上に何か乗せるとそれを掻きとる仕草をすることから判明し、より高次なコミュニケーションや社会生活をするゾウの基本的な性質になっているのではないでしょうか。

asahi.com: 沖縄本島で松の立ち枯れ広がる 虫害に決め手なく - サイエンス

沖縄県・本島北部の金武町や宜野座村で、県木「リュウキュウマツ」の立ち枯れ被害が目立っている。観光客の中には、高速道から見える景色を紅葉と見間違える人がいるほどだ。

もともとアメリカに生息していた"マツノザイセンチュウ"が広がり、"マツ材線虫病"というマツを赤枯れさせてしまっているようです。この虫は長さ1mm程のとても小さな線虫で、茎の導管を塞いでしまい根からの水分がもたらされず枯れてしまい、また"マツノマダラカミキリ"を媒介として広がるようです。

もともと生息地の北米ではこの虫に対する抵抗力があるようで弱った木を枯らすのみですが、疫性のない他の地域では大きな被害になり、対策として加熱処理を施しているようです。

マツノザイセンチュウ,材線虫

asahi.com: 脳内に「カーナビ」機能の細胞 日大などのチーム発表 - サイエンス

脳の中に、カーナビゲーションのような道順を記憶する神経細胞(ニューロン)のあることが、日本大学の泰羅(たいら)雅登教授(認知神経生理学)、米ロチェスター大学の佐藤暢哉研究員らの実験で示された。先週、米科学アカデミー紀要の電子版に発表された。

道順を記憶する脳の領域として、頭頂葉内側部の神経細胞が役割を担っていることを細胞レベルで確かめたいう記事です。

もともと頭頂葉内側部に障害のあることにより、道順がわからなくなることがわかっていましたが、その詳細をニホンザルの脳内をMRIを用いて道を辿らせることにより、ルート認識により活性化する部位が頭頂葉内側部にあったということのようです。実際の脳の位置としては、頭頂葉は頭の天辺よりやや後方に位置しており、その内側とは左右の大脳半球の境目が接している部分です。

今回はその領域の神経細胞が確かに適時活動を行うことで、道のりを呼び出しているということを明らかにしています。

Neuroinfo Japan:構造
脳の構造・働き・機能

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